2008年02月21日

パリで感じた今年の色

インテリアのタイプがクラシックであってもモダンであっても
パリで感じた今年の色はここかしこで見られたリーフグリーン
と、海を感じさせるブルー。

テーマカラーとして色々なところに使われていました。そしてフーシャピンク。
(青みがかったピンク)で、この3色に白と黒のモノトーン、金糸、銀糸。

なかなかこういうタイプをやる機会
がないので遠ざかっているのが現実
ですが、こういう色彩も、私の中で
は避けていたという方が正しいでし
ょう。その理由はあとで述べます。














そして会場内のレストランの一つにはまさしく流行色を特徴づける
ピンクのカーテンの前にマカロンのタワーが築かれていました。
























本当に些細な幼児体験からです。
保育園に通っていた頃、午後のおやつの時間に、動物の形をしたビスケットと
アルミのカップに入れられて脱脂粉乳が出されていました。そのビスケットに
こってりと色付けされた砂糖が塗られていて、こんなピンクや緑色だったので
す。幼児の私にすら自然の色ではない事が容易にわかり、異様な気持ちで食べ
ていました。

それ以来、何となく遠ざかってしまっていましたが、パリに行く前に、ちょっ
とニットものを補給しようとお思い立ち、洋服売り場に立った時、自分の固定
観念や、枠を取り除いてみようと思いました。避けて通りたかった色に挑戦し
てみようと思ったのです。それで、このグリーンのカーデガンとセーターを買
って持って行ってみたのです。そうしたら会場でどれほどの人がこれと同じよ
うなグリーンを使った服を着ていたでしょう。笑ってしまいました。

そしてもう一つの逸話。
ローマのトレビの泉の前にあるジェラート屋さんで、「あっ、抹茶アイスだ」
と大喜びで買って食べてみたのは良いのですが、これがピスタチオのジェラー
ト。お粗末様・・・の巻。だったので、この色には裏切られたような気がして
ならなかったのです。くだらない事なのでしょうが・・・・。
下は、以前にもアップしましたが、街のパン屋さんのショーウィンドウの写真
です。
  


Posted by Atelier Ms at 19:12住まい・インテリア

2008年02月20日

パリ 南欧の風


ルブルジェの家具会場のブースの写真ですが、季節的なものでしょうか。
南欧風の演出が多かったように思えます。ブースの設営には、とにかく
力がこもっています。前回にも述べましたが、スペースづくりのために
どれほどのエネルギーを注いでいるか、この写真を見てもわかります。

ノールのメゾンエオブジェの会場にも南欧の風が吹いていました。
クラシカルな中に南欧のリゾートを意識したり、ちょっと貴族趣味的な
上流階級のテイストをちらつかせていたり、EUになってから加盟国の
生活水準や、経済状態をうかがわせる気がして、
うらやましいやら、ため息やら・・・。
昨今のシャンデリアもここかしこで使われていました。



雑貨のブースは「リヴィエラあたりの夏」とでも言いますでしょうか、
「夏のリゾート」「旅」などがテーマとして前に出てました。
ちょっとかわいい「海の家」
でしょうか。
覗いてみると、ちゃんとお部屋が
出来ています。そして雑貨が展示
され、商談を待っています。





雑貨パヴィリオンの中のストリート。











メッセの開催国・季節的な特徴でもあるのでしょう。
「北欧風の・・・」がちょっと影が薄かったように思えます。
これから来るものをうかがえさせますが、本当に良いものは
ブームが来ようと来なかろうと、ずっと愛されて使われて
ゆくものです。
  


Posted by Atelier Ms at 13:24住まい・インテリア

2008年02月18日

パリ 雑貨のブース

メゾンエオブジェの雑貨パビリオン
では、ふとどこかの路地に紛れ込ん
でしまったような時があります。
古いヨーロッパの路地のようだっ
たり。地中海のどこかの島のよう
だったり。雑貨を充分にアピール
出来る演出がされています。その
スケールは、出店主のエネルギー
を感じます。左の写真も、気がつ
いたら、商談中の路地に迷い込ん
でいました。







上のブースを表から見たところ。
お祭りの屋台が並んでいるような
かわいらしさ。
この写真の左奥に見える車は、
古いトラックでした。








このトラックの屋台も展示に一役。
季節柄でしょうか、これから迎える
夏を意識しているのか、また、
南欧がブームとしてくるのか、
地中海の「風」を感じる雑貨、又
ナチュラル系雑貨が多かったので
すが、手作り風のというものより
とてもソフィスティケイトされた
雑貨が目につきました。
造花にしても、(Siaのブースも
覗いてみましたが)リアルなもの
が主流だったように思えます。


ブースの設営は半端じゃなく、一軒の海の家をパビリオンの中に建ててしまっている
ような規模の展示でした。各社の意気込みが感じられます。  


Posted by Atelier Ms at 18:29住まい・インテリア

2008年02月12日

パリで起こった奇跡


最近、現実にはどうにもこうにも思い通りに行かない事ばかりで、
この世に、ファンタスティック!!と叫べるような出来事がなかった
私に、実は二度、パリのメッセ会場で奇跡とも言えるような出来事が
ありました。

もう、二十年近く前になりますが、
ハンブルク近郊のベントルフという
所に住んでいるインテリアデザイナー
を訪ねました。
名前は、アストリット・ホーマット。
クオリティーの高い個人住宅の
インテリアデザインを主に手がけて
いる方で、その方面ではちょっと有名人。
素敵な自宅の中にアトリエを持ち、
二度の訪問では、実業家の優しいご主人
とともに歓迎をしてくれました。

友人の従兄弟という事で紹介されたのです
が、初めて現役のインテリアデザイナーの
アトリエを見せてもらったことが私の今の
仕事を決定づける事になったと思います。



昨年のドイツ行きでは、実際にお会い出来なくて残念でしたが、電話ではご主人が
「あなたの事、よく思い出話をするんだよ。今度もっとすばらしいアトリエが
出来たからいらっしゃい」と言ってくれました。
「あの時にアストリットのアトリエを見て感激しました。当時私には、自分の
進むべき路に迷いがあったけど、彼女に会えた事で私はインテリアの路に
進もうと決心したのよ」と伝えました。

仕事をする時には、
常に彼女の事は頭の中にありました。
言ってみれば私にとっては理想の
インテリアデザイナーと言える人です。
センスも良いし、仕事と家庭を両立させ、
子育ても成し遂げ、素敵なアトリエで
布のチョイスをする時の彼女の姿は
カッコいいし・・・形から入って
しまったと思われるかも知れませんが、
彼女はそんな存在でした。

で、今回、パリ行きの前も後も殺人的な忙しさ。しようしようと思いながら
とうとう連絡する余裕がなくて、パリに着いても、なんだかバタバタ。
会場では、期間中にはきっと彼女、来ているだろうなぁーと思いながら
歩いていました。

昨年は10万2000人以上の入場者数。
とてつもない広さの会場は3日あっても
回りきれないくらい。あちらこちらで
多種多様な言語が飛び交う会場は、
一体ここはどこかと思うくらい
インターナショナルな雰囲気です。
ドイツ語が聞こえると
「あーアストリットに連絡しておけば
良かった・・・」
と何度も何度も思いました。

ふっと通り過ぎたシャンデリアがきれいなブースでやはりドイツ語が聞こえ、
通り過ぎたのですが、「えっ・・・?」と思い、「思い過ごしかな・・・」と、
思いつつも10歩程足を戻し、「違ったらどうしよう・・・」と思いつつ
「Sind sie vielleicht Astrid?」(ひょっとして、アストリット?・・・)
「Ja・・・・Oh my God!!!」(ええ、そうですけど・・オーマイゴット!!)

ということに。二人とも興奮状態
でした。
約20年のインターバルです。
そして今までどんな思いで、
ここへ来たか。どんな事を考えて
いたのか、伝えました。
「ドイツに足を伸ばせないの?!
あなたの事考えていたのよ。
アトリエを見せたいわ・・・」
と、彼女も興奮してしまいました。
その時、奇跡ってあるんだと思い
ました。
何日かの期間中、膨大な広さの
場所で、何万人もの人の中で、
世界中で、今一番会いたい人が、
目の前にいたんです。
私の人生で、過去に一度だけ
そういう経験がありました。
会いたい、会いたいと思う人は
何人もいました。が、大概は叶う
ものではありません。

そしてそのうちにそういう気持ちは薄れてゆく。
そんなものと、思って来ましたけど、なんだかアストリットの事は
このパリに来る前も、それ以前からもずっとずっと思い続けて来た
ものですから、私が念じた「思い」が引き寄せたのだと思いました。

『純粋な思いで、打算抜きで念じる事はきっと実現する』

という事ですね。すばらしい一年になりそうな気がしました。


写真説明:1 パリ市内、ポルト・デ・マイヨ近辺の街角
     2 メゾンエオブジェ会場のクラシカルなブース
     3 雑貨の会場.温室を設営して雑貨や照明器具のブース
     4 会場内の一部を上から見たところ
     5 アストリット・ホーマット
     6 パリのバラ  


Posted by Atelier Ms at 14:32色々なご報告

2008年02月11日

パリ・メゾンエオブジェとムーブルパリ(4)

ー対極にあるものー

前回でものべたように、クラシカルなものの傾向が色濃くなった
ように思えますが、モダンもまだまだ健在。
ケルンでも訪れたニコレッティのブースはいつもながら人気が
ありました。

前年の流行、モノトーンにフューシャピンクやレッドなどのコンビネーションは
まだ引きずっていました。



ここまで見てゆくと、木に関わってきた私などはナチュラルな色使いが
視覚にないことに、少し緊張感を感じます。そこでちょっと
ほっとするようなコーナーがありました。チョコレートです。

ある会社のソファーの写真をもとに、チョコレートでソファーを作っていました。
滑らかさは、時々ヘアドライヤーをかけてつやを出したりしていました。
  


Posted by Atelier Ms at 18:34住まい・インテリア

2008年02月08日

パリ・ルブルジェの家具メッセ会場(3)

パリ、二日目。メゾンエオブジェより一日早くオープンする、ルブルジェ会場の家具メッセ
Mueble Parisを訪れました。


一瞬図書館と見間違いそうなブース?
なんと会場内のレストランでした。
黒ずくめの貫祿あるギャルソン達が
準備をしていました。








展示の面白いブースをこれからいくつか紹介して行こうと思います。
下の写真は、知的空間の演出とでも言うのでしょうか。男性が
隠れ家のような空間で、研究や読書、趣味などに没頭出来るような
空間を演出していました。周りの人の大きさと比較するとその
ボリュームがわかります。


パリの展示だけあって、
と言うよりは、ブームなのか
全体的に、トラッドが出始め
た感じがします。それを物語
るファブリックの柄が、やは
りクラシック調の大きな草花
模様が目立ちましたし、家具
も全体的に、わざと古く見せ
るような仕上げにしてあると
ころが圧倒的に多かった印象
があります。






そして、ターゲットを男性に
絞ったような、道具で固めて
あります。
この展示で面白かったのは、
古本の束です。多分、どこか
の古本屋さん一軒分空っぽに
なるくらいの量を使っていま
した。あとは見てのとおり。  


Posted by Atelier Ms at 15:18住まい・インテリア

2008年02月06日

パリ・メゾンエオブジェとムーブルパリ(2)

十数年振りのパリは以前と大分様子が違っていました。
EUスタンダードというのでしょうか。EUに加盟してから、
様々な場面で、他のEU諸国と足並みそろえて・・・って感じが、
パリらしくないと言うか、「主体性を持った自分勝手さ」
みたいなパリッ子はさぞかし堅苦しいだろうなと思いました。
一例としては、一月からパリの町のレストランやカフェでは
全面禁煙。禁断症状の起きる面々は、お店の外に行って
吸わざるを得ないのです。

それに、貸し自転車が街の至る所に
あり、以前なら貸し自転車なんか
とっくに無くなってしまうでしょ
うに、何とこの変わり様・・・
と思うのは私だけでしょうか。
わたし的基準で言う「健全な街」
になってきたのかな・・・




今回はまず序章でしたが、プライベートブログでは
パリの様子についてもう少し多い目に述べるつもりです。
メゾンエオブジェもご報告の方向を練っています。

メゾンエオブジェの公式サイトはここをクリックすると見られます。  


Posted by Atelier Ms at 13:28住まい・インテリア